ムダ毛がしっかり取れてからまった被毛を解くことができるスリッカーブラシ。
一方で扱い方を知らないまま使うと猫の皮膚を傷つけてしまい、そのことが原因でブラッシングがトラウマになってしまうことがあります。
正しい使い方を知り目的に合ったブラシを選んで猫ちゃんと楽しいブラッシング時間を過ごしましょう。
スリッカーブラシの特徴
スリッカーブラシは、ピンが“く”の字型になっているブラッシングブラシです。
被毛のもつれや毛玉をときほぐすのに有効で、換毛期だけでなく日常のお手入れにも使えます。
細い針金状のピンは地肌まで届くので、力加減と持ち方に注意が必要です。
スリッカーブラシを上から握ると必要以上の力が加わり肌を傷つけ痛みを与えてしまいそのトラウマがブラッシング嫌いの要因になるので、必ず『えんぴつ握り』または『下から支えるように』持ちます。
使う前には自分の腕で力加減をチェックしましょう。
スリッカーブラシのメリット・デメリット
スリッカーブラシの良い点
根もとからしっかりとかせる
密集した「く」の字の細いピンが毛の隙間にからまっている抜け毛を効果的にかき取ります。
毛玉やもつれが解ける
被毛がもつれて毛玉が出来た長毛種の被毛を効果的にほぐします。
スリッカーブラシの惜しい点
扱いにコツがいる
力を入れ過ぎるとスリッカーバーン(火傷のような傷)になりやすく、皮膚を傷つけてしまいます。
ガシガシと全体を勢いよくブラッシングせず、ほぐすように少しずつブラッシングしていきましょう。
猫ちゃんが撫でられていると感じる力加減がベストです。
力加減が不安な方はピン先に玉がついているブラシを選ぼう
抜け毛を取る力は落ちるけどテクニックいらずで気軽に使えるよ
選ぶポイント
スリッカーブラシには「ハードタイプ」と「ソフトタイプ」があり、ピンの硬さが違います。
トリマーさんなどスリッカーブラシの使い方を熟知しているプロは手早く作業を行うのにハードタイプを使う方もいます。しかし、硬いピンは正しく使わなければ猫が痛い思いをすることもあるので飼い主さんはソフトタイプがお勧め。
また、スリッカーブラシを選ぶ際には目的に合わせて以下のポイントに注目すると良いでしょう。
- 用途で選ぶ:毛玉やからみをほぐすなら高品質でピン先に玉無しのスリッカーブラシを。全体をカンタンにとかすなら肌当たりがやさしい玉付きやラバータイプを選びましょう。
- ピン先の玉の有無:毛のもつれをほどくには玉無しが良いが、デリケートな高齢猫や仔猫には玉付きが肌にやさしくおすすめ。
- ピンの長さ:短毛種・長毛種に合わせたピン長を選ぶ。目安は短毛10㎜、長毛15㎜。
- ピンの材質:さびにくいステンレスがおすすめ。
- 土台のクッション性:土台にクッション性があると圧がやわらぎ肌への負担を軽減できます。
- ワンプッシュで毛が取れる:取れた毛の掃除が地味に面倒。ワンプッシュで掃除できるとブラッシングのハードルが下がります。
- ブラシのサイズ:ヘッド部分の一般的なサイズは『45×90㎜』 これより大きいと毛玉の出来やすいワキの下や足のつけ根などの細かい箇所のブラッシングがしにくい、反対に小さいと背中など広い面のブラッシングに時間がかかり効率が悪い。
- 静電気を抑える:静電気の起こりにくい木製ハンドルまたは静電気防止対策がされているものを選ぶと静電気による被毛のダメージを抑えることが出来ます。
毛玉やからみをほぐしたい長毛種には玉加工なし
繰り返しになりますが、スリッカーブラシは使い方を間違えると肌を傷つけて嫌な記憶として残ってしまうのでポイントをおさえながら正しく使いましょう。
- えんぴつ握り:スリッカーブラシを握る時は必ず下から持ちましょう。
- 被毛をめくる:被毛をめくりからまっている箇所を見つける。
- スナップを効かせてとく:根もとから毛先までまっすぐとかすのはNG。スナップを効かせ少しずつほぐします。ブラッシングスプレー使うと被毛ダメージを抑えてよりほぐれやすくなりますよ。
毎日のお手入れに!手軽に使うならワンプッシュが楽
日常的に使うならワンプッシュでブラシから抜けた毛が取れるタイプが楽チン。
思い立ったらサッと使って終わればワンプッシュでポイッと捨てれるのでブラッシングのハードルが下がります。
ワンプッシュで抜け毛が取れるのは地味に便利で大着なわたしにピッタリでした
デメリットは、クッション性が弱いこと、プッシュ板がある分ピンが短くなるので長毛種には不向きなことです。
ピンが短いから地肌まで届かず肌を傷つける心配がほとんどないのでお子さんが使う場合やブラッシングが大好きな猫ちゃんとのスキンシップ用におすすめ。
またブラッシングが苦手な猫ちゃんの練習用にも向いています。
長毛種の場合は、ピンが短すぎて表面しか梳かせなかったのでワンプッシュタイプは不向きだと感じました
おすすめのスリッカーブラシ10選
ローレンス ソフトスリッカー/Jセラーズ&ソン
英国老舗メーカーの逸品
ペット先進国イギリスで創業200年を越える『 Jセラーズ&ソン社 』のスリッカーブラシです。
トリマーを育成する学校の教材としても使われるブラシで、今までブラッシングを嫌がっていたペットもおとなしくなると評判です。
ソフトなラバークッションと細くしなやかな高品質ピンにより被毛にやさしいブラシッングができます。
ブラシの裏面はアルミ製で軽くて扱いやすい仕様が、スナップを効かせやすく腕が疲れにくいので毛玉ができやすい猫ちゃんのお手入れにおすすめです。
クロームメッキを施すことによって、丈夫で傷つきにくくサビや変色もしにくい製品となっています。
サイズ展開はSS、S、M、Lの4種類。
猫ちゃんはSサイズが最適、顔やお尻周りなど細かい箇所の毛玉をほぐすのであればSSサイズが扱いやすいです。(M.Lサイズは大型犬向き)
頻繁に絡まる長毛種の毛玉をほぐしたい方に。
【サイズ】SS:45×60㎜、S:45×90㎜、M:55×115㎜、L:80×125㎜
【材質】ハンドル:ブナの木、パット:アルミ、ピン:カーボンスチール(クロームメッキ)
【原産国】イギリス
プロ用ステンレススリッカー武蔵/岡野製作所
トリマーさん推奨!こだわりの逸品
ピンには高品質でさびにくい18-8ステンレス針を採用。
クッションは極厚ラバーを使用し強度が高くピンが抜けにくい。(※その分クッション性は低いので力を入れすぎるとピンが肌に強く当たるので力加減に注意)
ピン一本一本が密に植えてあるので仕上がりはふわふわでワンランク上の仕上がりです。
ピンの硬さはソフト・ハードから選べますが、猫ちゃんに使う場合はやわらかいソフトがおすすめ。
サイズは小・中の2種類。
猫ちゃんに使う場合は小回りが効く小サイズ(画像のSサイズ)がおすすめ。
品質にこだわったスリッカーブラシを長く使いたい方に。
【サイズ】小:45×90㎜、中:58×120㎜
【材質】ステンレス・天然木
【原産国】日本
スリッカーブラシ ネオソフト/岡野製作所
ピン先を丸く加工し被毛に優しい
高品質のSUS304ステンレス針を使用。
ピンの先を丸く加工することで被毛に優しくスムーズな櫛通りを実現。
ラバー部分は天然ゴムを使用し、中にはウレタン製クッションを入れることで圧力を分散。
長毛、短毛、あらゆる毛並みになじみ全体をふっくらと仕上げ、ムダ毛を取り除きます。
サイズはミニ・S・Mの3種類。
プロ品質と被毛へのやさしさ、両方叶えたい方に。
【サイズ】ミニ:45×90㎜、S:45×90㎜、M:58×120㎜
【材質】ピン:SUS304ステンレス、ハンドル:天然木
【原産国】日本
スリッカーブラシ エポS/岡野製作所
もっとやさしい玉付きスリッカーブラシ
ピンの先にエポキシ樹脂がコーティングされているスリッカーブラシです。
皮膚にやさしく、マッサージ効果も期待できます。
皮膚を傷めることなく使用できて、短毛種・長毛種どちらにも使用できます。
サイズ展開はネオソフトと同じ、ミニ・S・Mの3種類。
皮膚が傷つくのが心配な飼い主さんにおすすめ。
【サイズ】ミニ:45×90㎜、S:45×90㎜、M:58×120㎜
【材質】ピン:18−8ステンレス、ハンドル:天然木
【原産国】日本
ロングティースリッカー90/ケイプロ
技術と品質にこだわった日本製
品質の良さに定評のあるケイプロのロングティースリッカーブラシです。
一般的なスリッカーブラシと比べて、柄が長く手が大きい方でも握りやすい。
極細ステンレスピンを使用することで毛切れしにくく、さらに皮膚へのあたりが優しくなるようにまで考えられており、ワンランク上の被毛作りに効果を発揮します。
仕上がりはきめ細かくやわらかで、細部にこだわる多くのトリマーさんに選ばれています。
サイズは60、90、115の3種類。猫に適しているサイズは90(45×90㎜)です。
3サイズともに柄の長さは152㎜。
手が大きい方、しっかり握れる高品質なブラシを探している方に
【サイズ】60:45×64㎜、90:45×90㎜、115:58×120㎜
【材質】ピン:ステンレス合金
【原産国】日本